次郎長屋の放射能測定は静岡の「静岡放射能測定室」さんにお願いしております。

次郎長屋では、去年から静岡の放射能測定室さんに食品の測定をお願いしております。

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今回、測定室さんから発行されております「測定室だより」に寄稿文を!とお願いされたので

誠に恥ずかしいですが、下記文章を書かせて頂きました。ご笑覧下さいませ。

 

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あれは、震災から半年程経った時だっただろうか、、、。お店に一歳にも満たない赤ちゃんを大事そうに抱えた若いお母さんが来店された。商売柄初めてのお客さんかどうかはすぐに解る、、。一通り商品を見る姿を見て「あぁ、この人も”震災前商品”を探しているんだろうな、、」と察しが付いた。正直もううんざり、、、。私は立場上生産者と消費者のど真ん中にいる。くれぐれも誤解の無いようにお願いしたいが被災者の皆さんには申し訳ないけど、天災は防げない。でも、放射能は防げた。何より元々自然界には無いものだし、、。そんな中岩手、北海道の業者を含め、漁師さんや関係者は頭を抱えている、(今も現地は変わらないです)被災地支援も私はやりたい。物資を送る、支援金を送る、そんなんじゃなくて私のような立場にある人間が出来るのはしっかりと商品を見極めて少しでも高く買い、現場の声を消費者に届ける。消費者にはまずは商品の質を確かめ、味を確かめ、自分が仕入れた商品に対して放射能検査をして、自分の粗利を下げてまでも、現地からすこしでも高く買った商品を消費者に適正価格で販売する。

前述のお母さんも「震災前のものはどれですか?」とお聞きになった。該当商品を説明するが、それ以外にもうちで放射能検査をしている旨説明し試験結果報告書も見て頂いた。でも返って来た言葉が「何で検出限界が20bqなんですか?もっと下限値を下げて詳しい試験をしないんですか?」正直そんな事を言うお客はすぐに帰ってもらおうかと思った。私は言った。「えっ?政府が言っているのは、だって、、100bqじゃないですか!全然安心ですよ」と、、。お客様は「静岡にもちゃんと検査してくれる所がありますよ、是非○○で検査して下さい」
このお客様の言葉を深く考えた結果が私と放射能測定室さんとのお付き合いの始まりでした。
自分も息子達は小学生、中学生です。でももし赤ちゃんだったら、、。また食材を販売する末端にいるものとして、100%安心安全のものを販売したいという気持ちはいつもあります。その100%って価値基準を自分で勝手に決めてたんじゃないか?。放射能検査をすれば100%ではないし、放射能以外にも実はもっと怪しいものって沢山あるんじゃないの?って不安もあるけれど、これからもアンテナ高く、デジタル測定の値をしっかりと認識しつつも、現場の空気、漁師さんの目、自分の舌を大切にしながらより良い食材を販売してゆきたいと思う震災より2年後の正直な感想です。
 
次郎長屋 若旦那 西ヶ谷建志

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